今回は「盲ろう者」
として活動している門川紳一郎さんについて
詳しく紹介していきたいと思います。
NHK ろうを生きる 難聴を生きる
「道を拓く 盲ろう者と盲導犬」
で特集されたようですね。
「盲ろう者」
と言う方々をご存知でしょうか?
私は正直なところ
調べるまでこの言葉すら
知りませんでした…。
「盲ろう者」
とは盲ろうであると言う事
つまり、視覚と聴覚の重複障碍者の
事を指します。
「視聴覚二重障害者」や「ろう盲者」
と呼ばれることもあります。
生まれつきの障害や
幼少期に患った病気などによって
聴覚や視覚を失ってしまう事で
重複して障害持ってしまう事が
あるようです。
障害の度合いにもよりますが
盲ろうの場合、情報の入手や発信
自立した生活に困難を極めます。
周囲からの理解が得られることも
少なく、孤立してしまう事が
多いのだそうです。
それでは、門川紳一郎さんの活動と、
良きパートナー盲導犬ベイスについて
御覧ください。
盲ろう者としてはじめて盲導犬の使用を認められた門川紳一郎さん
門川紳一郎さんは日本で初めて「盲ろう者」
として盲導犬の使用が認められました。
生まれつき弱視という視覚障害をもち
4歳ではしかによる高熱によって聴力
を失った事で盲ろうの状態となりました。
日本語の手書き文字や触手話
点字などを使って育ち
一人アメリカへ渡り英語とアメリカ手話を
学んで1992年に
ニューヨーク大学の大学院専攻は
デフネス(聴覚障害者)
リハビリテーションを
卒業しました。
視覚も聴力もほとんどない状態で
アメリカへ渡り、点字や触手話を使い
学習を重ね卒業したなんてどれほどの
挑戦と努力が必要だったでしょうか…
私には想像もつきません。
帰国してからの門川さんは
「就労につないでいけたら」
と言う思いから
盲ろう者が集って情報交換や交流の場
としてNPO法人「すまいる」を
大阪にて始動させました。
取り組みの一つとしては
楽しみや生きがいを作ること!
社会活動が困難な盲ろう者たちでも
交流がなければどんどん内に
こもってしまいますから
ご飯を一緒に作って食べたり
おしゃべりしたり
パソコンやインターネットを使い
情報入手したりと
世界と孤立してしまわないような
活動を続けていました。
まさに盲ろう者の社会活動の
先駆けとなったのです。
盲ろう者に盲導犬は難しい?ベイスとの出会い
前向きにさまざまな事に
チャレンジしている門川さん
門川さんは一人でも
白杖を使って移動ができました
しかしだんだんと視力が落ち
視野も狭まってきたことで一人で
は歩きにくくなっていったそうです。
そこで、以前のように歩きたい意思から
盲導犬使用を考えるようになりました。
しかし盲ろう者の方が
盲導犬を使用するには壁がありました。
それは犬とのコミュニケーションの難しさと
共同訓練の際、訓練士が指示や犬の動きを
門川さんへ伝えることの難しさです。
まず訓練士のなかに手話など
使える人がほとんどいないのです。
そのため犬とのコミュニケーションも
手話や手の動きなど仕込んでいること
がほとんどありません。
門川さんはいくつもの団体に断られ
2年もの歳月をかけて
対応できる犬と巡り合いました。
それが盲導犬ベイスです。
訓練士が門川さんに体に触れたり
手に文字を書いたりして内容を伝えます。
誰もが心配や不安を抱きながら
訓練が始まりました。
しかし、結果は予想を覆すものでした。
門川さんの声かけに
ベイスがきちんと答え
指示どおりに動いたのです。
この結果に門川さん自身も
驚いたと言います。
とは言え、生活していくうえで
失敗もたくさんあります。
ベイスが通勤途中
おしっこをしてしまった
言う事を聞かずその場で
止まってしまった。
など、やはり耳が聞こえない分管理や
その場での対応に
困ることも多いのでしょう…。
しかし門川さんは
ベイスと生活していく中で失敗を
繰り返し、そこから学ぶことがある
様々な躓きも
大切にしたいと考えているようです。
失敗することでいろんなことが
吸収できますから
どんどん色々な事が見えてくるでしょう。
盲ろう者へ理解を深めることと知ること
盲ろう者の方が盲導犬を扱うには
様々な壁があることがわかりました。
そしてアメリカなどではすでに
手話などを取り入れた
訓練が取り組まれていますが
日本にはまだまだ
浸透していないのだと言う事
そしてそもそも「盲ろう」
と言う事が私たちにとっては
聞きなれない言葉であると言えます。
まだまだ障害を持つ方への理解は
一般的には広がっていないと感じます。
何故なら介助犬が入れる場所は
多いとは言い切れません。
とくに飲食店など
盲導犬でも入店拒否されてしまう
事が少なくありませんから…。
私もたまに電車などで
盲導犬を連れた方を見かけますが
珍しいもの見たさのような人や
我関せず、近寄りたくない
といった態度をとる方も
少なからずみられます。
私は門川さんの活動などから
私たちは知らない事や障害者に対して
興味をもっと持つべきではないか
と感じました。
この様な方々がもっと
社会進出できるように
他人事だと
思ってはいけないのではないでしょうか?