1980年ころから、小学4年生への指導として
広がりを見せている1/2成人式。
10歳というちょうど大人への道を
半分すすんだ子供たちに、
いままでの自分を振り返り
未来を考えてもらうのが狙いです。
周囲の大人も子供の成長を
実感する良い機会なので、
保護者の満足度もかなり高い
イベントになっています。
一方、1/2成人式に対しての批判も
かなり見受けられました。
親への感謝を強要している、
複雑な家庭環境をもった子供への配慮が
なされていないなどです。
ただ保護者が感動して満足するような、
大人のための行事にならないよう
注意しなければいけません。
子供たちに対して、
どのように指導していけばいいのでしょうか?
10もある指導案一覧!成長を感じ感動あるものにするには?
1/2成人式にかかわる学習の
基本的な流れはどの指導案でも同じで、
- いままでの10年を振り返る
- 将来のことを調べる・考える
- 1/2成人式、成果発表(保護者参観)
の3構成にわけることができます。
ひとつずつ、どういった指導内容なのか
みていきましょう。
- いままでの10年を振り返る
「これまでの10年間を調べて
自分のよさや得意なことを発見したり、
再確認する」という段階です。
例えば、以下のようなことをしてみましょう。
・いままで経験した祝い事を発表する。その意味を考える。
大人になった時の祝い事と比較して、
子供のお祝いは多いですね。
昔は幼いうちに亡くなってしまう子が
多かったという話に触れて、
命の大切さについて考えてみましょう。
・小さい時の写真を用意して、同じポーズで写真を撮って比較する
1/2成人式の発表中に、
スライドで流すとより成長を実感できます。
保護者向けのコンテンツにもなります。
・保護者へのインタビュー
名前の由来や、衝撃的だった出来事、
成長を感じる事など、
子供にインタビューをしてもらいます。
事前にお知らせしておくことが望ましいです。
子供一人一人の家庭環境に配慮し、
インタビュー対象をあらかじめ相談して
決めておく方が良いですね。
1/2成人式では
一番センシティブで問題になりやすい部分なので、
指導内容はほかの先生とよく話し合って
決めることが望ましいです。
特殊な事情をもった家庭の場合、
子供や保護者の傷をえぐってしまう
危険性をはらんでいます。
過去だけでなく今の自分を
見つめてみてもいいかもしれません。
今の自分にできること、
できないことを考えることで
新たな発見があるかもしれません。
- 将来のことを調べる・考える
自分の将来への夢や希望、
職業や生き方などについて考え、
前向きに生きていこうとする
意欲をもつことが目的です。
これからどんな大人になりたいか、
10年後の自分やなりたい職業について
調べてみましょう。
また、明るい未来だけでなく
「こまったときはどうするか」も
合わせて考えてみましょう。
乗り越える力、納得した人生を
歩むイメージを持っておくことが大事です。
3.1/2成人式、成果発表(保護者参観)
どこの学校でも
事前学習の成果発表、校長先生の挨拶、
「2分の1成人証書」の授与、
合唱を行うようです。
式の進行自体を児童に任せるなど、
いろいろ進行方法が考えられます。
式典にふさわしい
立派な態度がとれるように、
事前指導でしっかり
フォローしてあげると良いですね。
サプライズで、前の担任から話を聞いたり、
昔の学校行事でかかわった人から
話を聞くのもよいでしょう。
よくあるのは
「親への感謝の手紙を渡す」
「親から子供へ手紙を渡す」
というイベントですが、
これには批判的な声がたくさん出ています。
子供の家庭環境に配慮をし、
実施は慎重に判断してください。
全国の教員が行っている
指導案を公開しているサイト
TOSS(Teachers’ Organization of Skill Sharing:教育技術の法則化運動)には、
1/2成人式に関する指導案が10個掲載されています。
全体の計画が載っているわけではありませんが、
このシーンではどのようにしたらよいかのヒントになります。
そのほかの指導案で
「これはわかりやすい」と思った
計画書がこちらです。
http://www.edu-c.pref.miyagi.jp/longres/H17_A/pdf/shinro/handbook-es-sougou.pdf
将来の夢に重点を置いた指導案で、
具体的にこれからの将来を
学習する機会が得られます。
過去の振り返りは、
「自分新聞」の作成という形で行います。
自分の成長を友達同士で
確かめ合えるような内容となっており、
家庭環境に触れなくてもできるところがオススメです。
将来の夢を言葉にすることも大切!
「日本ドリームプロジェクト」では、
「夢の本」を作る指導案が紹介されています。
こうした形に残るものを用意して、
また10年後の成人式で
振り返るのも良いでしょう。
夢はどんなに大きくてもタダです!
夢をもつことで、
明るく楽しい未来を描けます。
そして、身近な家族や友だちで
夢を伝え合うことで、
相手の知らない一面を見ることができます。
自分の未来にいろんな可能性を見つけられるのは、
とても素晴らしいことですね!
こうして将来を言葉にすることで
将来設計能力の育成を行い、
「自立」について考える機会を設けましょう。
こちら↓のサイトに、
1/2成人式を自立の一歩として考えている
先生の話が載っていますので、参考にしてください。
まとめ
1/2成人式は、
子供にとって自分の成長を見つめなおす
いい機会になります。
ですが複雑な家庭環境を
持った子がいることに配慮をしてください。
式典自体を行うべきかについて、
再度一度検討してみるのも
必要かもしれませんね。
ある学校では、
児童の保護者が1人でも参加できない場合は
1/2成人式を取りやめるようにしていました。
それぞれの家庭環境に
これくらいの配慮が必要です。
大半の家庭にとっては
感動的な式典になるだけに、
一度実施してしまうと
なかなか変更することも難しくなります。
大切なのはいかに感動できるかではなく、
子供たちがどんなことを学べて、
その結果どう成長するのか、
狙いを明確にすることです。
親も子供も満足できるような
学習ができるとよいですね!